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メロウに止めるよう声をかけてくれたのは、ルイナさんだった。
どうして?
「メロウ!あんたにも責任があるんじゃない!こんな小娘に後をつけられて、気がつかないなんて」
メロウはナイフをポケットの中に収めた。
「ルイナさん済まない。本当に気がつかなかったんだ。気がついた時は遅かった。既に、仕事の現場を見られていたんだ」
「そう。メロウが気がつかなかったとはね。りいな。もしかしたら、才能あるんじゃない」
ルイナさんの視線が私の方に向いた。
「才能って……」
恐る恐るルイナさんに尋ねてみる。
「さあー。それは、りいなの決断次第ではっきりしてくるものかな」
ルイナさんは、最初は微笑んでいたが、あっと言う間に、引き締まった表情に変わった。
「りいな。あなたにチャンスをあげるわ。これから厳しい訓練を受けて私達の仲間になるか、それとも今ここで殺されるか。どっちがいい?好きな方を選びなさい。メロウ!これでいいでしょう。文句はないわね」
静かに頷くメロウ。
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