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第三部 未来
「りいな。又、二、三日、留守にするけど、ルイナさんと仲よくやるんだよ」
私は笑顔を浮かべて返事をする。メロウがやっている他の仕事。今度こそ、しっかりと調べてやる。何処で何をやっているのか分かれば、私は余計な心配をしなくて済む。いつまでもメロウと今の暮らしを続けたい。これは、私の本心だ。
今回は何も持たずに、出かけるメロウ。この前は、大きな黒いバッグを抱えていたけど、今回は手ぶらだ。疑念を擁きつつ、私は素直にメロウを送り出す。そして、ルイナさんの隙を見て、イマージュを抜け出し、メロウの後をつける。ルイナさんから教えて貰えない以上、こうすしかない。自分で確認する!これしかないのだ。
メロウに分からないように、人ごみに紛れながら、しっかりと距離を取り後をつける。振り向かれたら一巻の終わりだ。見つかってしまう。メロウの動きには、細心の注意を払っていた。
やたらとたくさんの人が行き交う交差点に指しかかった時、不意に歩くのを止めたメロウ。彼は一瞬、立ち止まったかと思ったら、両手に黒い革の手袋をはめた。いつのまにか、黒いサングラスもつけている。私は、建物の影に身を隠し、メロウの動きを見ていた。
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