つらなる・おと

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「三田村さん、わたし、いいひとです。とてもいいひとです。あなたのそばにいるわたしは、とてもいいひとです、だから、」  その手は、汗ばんでいた。 「だから、」  その続きを言いあぐねて、彼は口をつぐんでしまった。  半ば呆気にとられていると、この国のひとらしいくっきりとした目の端が、赤くなっていくのに気づいた。
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