2 クッキー

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 ぼくは一度シャワーを止めて、代わりにスポンジを手にした。 ボディソープを泡立てて、ティルの薄い肩を洗う。手首を取って腕を持ち上げさせて、二の腕から指の先までをも洗った。  ティルの手は小さかった。ほとんど真四角な形の爪は、きれいなピンク色をしていた。  ぼくに洗われている間、ティルは大人しく、されるがままになっていた。 上半身が泡まみれになったところでようやくリラックスしたのか、きつく瞑っていた目を開けて、ぼくを見上げた。  ぼくはシャワーで泡を流した。 「さぁ、立って。下も洗おう」 ぼくが両脇に腕を差し入れて立たせると、ティルは素直に従った。足の先からふくらはぎ、太ももまでスポンジを滑らせたところで、後ろを向かせた。  けしてひろくはない背中を洗い終え、視線を落とした先には形の良い尻があり・・・短い尾があった。 それは、ぼくが思っていた通りのものだった。  ティルの尻尾は生えているものではなかった。中へと埋め込めこまれているものだった。 ぼくは、やはりゲイを対象にした風俗店なのか・・・とガッカリするよりも、その仔猫のような尻尾が埋め込まれた箇所への興味を覚えた。  この尻尾を引っ張ったら、ティルは一体どんな顔をするのだろうか?やっぱり、嫌がるのだろうか?それとも・・・  ぼくはティルの尻尾を引っこ抜いて、代わりに自分自身をねじ込んでやりたい衝動に駆られた。 「・・・ここは手で洗ってあげる」  再び前へと向かせたティルの上を向いているオスの印を、ぼくは手の平の上で作ったボディソープの泡の玉でくるんだ。泡が染みないようにそっと、優しく洗う。  これではまるっきり、風俗だ。とぼくは行ったこともないクセに、聞きかじった知識でそう思った。  ティルをきれいにする為にというよりは、気持ちよくする為にぼくは手を指を動かす。 すぐに、ティルの鼻にかかった、吐息混じりの甘い声がバスルームの中でこだまし始めた。  ティルのすんなりとした脚が、小刻みに震え出す。 「もうすぐ洗い終わるから、ちゃんと立っているんだよ。そう・・・いい子だ」  ぼくは泡を洗い落とした。露わになったティルのオスは少しでも突いたならば、すぐに弾けてしまいそうなほどにパンパンに張り詰めていた。  頂の小さなくぼみに溜まっているのは、お湯ではないだろう。もうにじみ出てきている先走りを、ぼくは人差し指で拭った。
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