1 ミルク

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 果たして、ティルのオスは弾けて、ぼくの手の中へと精液を吐き出した。 達した時の一際甲高い声と、その後に続く何とも気の抜けた甘い声との落差、ギャップが堪らなかった。  うれしげにぼくへと顔を寄せて、頬や口元を舐めてくるティルが無邪気で、可愛らしい。 手を拭こうと、ベッドヘッドのテッシュケースへと左腕を伸ばしたぼくの上へと、ティルが乗っかってきた。  ぼくの右手を舐め始める。 「いいよ。そんなことしなくても・・・」 拭けばいいのだし、別に汚いとも思わない。しかし、ティルは舐め続ける。特に人差し指と中指とは、丹念に。 けして、仕方がなくやっているようには見え思えなかった。  ぼくの右手をきれいにしたティルが、ぼくを見た。もっと、食べさせてよ。とその青み掛かった目は言っていた。  まずは、喉仏を食われた。歯にではなくて、唇で()まれた。鎖骨を舌先でなぞられ、乳首を強く吸われた。  両手を使えないティルは当然、自分の体重を支えられないので、ぼくの左半身に自分の左半身を重ねている。 全然重くはなかった。もっと、のしかかってきてもいいくらいだった。  腹に頬ずりをされ、へその窪みに口付けられる。 ヒトでならば、ぼくの乏しい経験則では、ここで焦らすなりためらうなりの間が空くのだが、ティルはそんなことはしなかった。  一息で根元まで食われた。先端がティルの口の上側に当たり、擦れる。 ぼくは久し振りのせいもあってかすぐに達してしまいそうで、思わずティルの肩に手を掛けた。しっとりと汗ばんだ肌としっかりとした筋肉とを、手の平に感じる。  ぼくは少しでも長く味わっていたかったのに、ティルはただただぼくを貪る。 程なくして、ぼくはきつく瞑ったまぶたの裏に走る白い光を見た。その瞬間に、達していた。  コクリと小さく喉を鳴らして、ぼくの精液を飲んだはずなのに、ティルはまだ舌を口を唇を動かし続けていた。 これにはぼくも参って、 「もういいよ。ティル、もう十分だ。気持ち良かったよ・・・」 と白旗を上げた。  掴んでいた肩を強めに押したので分かってくれたのか、ティルはようやくぼくを放してくれた。  ずり上がり、ぼくの顔を間近で覗き込んでくるティルの体を、ぼくは抱きしめずにはいられなかった。  ・・・いつの間にか、ウトウトとしてしまったらしい。 「お客様、お休みのところ申し訳ございません」 降ってきた声で目を覚ました。
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