第二話

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まあ、俺が入ったときはそうでもなかったんだけど、今はちょっと変わった経歴の人がここを切り盛りして、それから変わったんだ。 「時間になったらあっという間にいっぱいだよ」 「そうなの?」 システムを教えて。俺はそこの料理長を紹介。 「若いね」 「ハハハ、ありがたいね」 「おすすめは?」 「今日は魚だな、Bランチがおすすめだ」 「俺は、シェフに聞いてから、食券を買う」 「彼は君のボーイフレンド?」 「しーっ!」 「ははは、知ってるのか、そうか、まあそうだな」 でも言わないでねと人差し指を口に当てた。 「そうなの?」 「違います、まったくもう、いいよ」 「ちゃんと食ってけよ!」 「俺の責任だ、言われなくても食ってくよ!」 俺は、スープだけ買い、彼には、これねと言い、Bランチのボタンを押した。 「わお、おいしそう」 「でしょ」 キンコーンカーンコーン 「何の音?」 「お昼休みが始まるよって合図」 「ふーん」 「見てて、今にいっぱいになるよ」 ぞろぞろと人が入ってくる。 すごいねという彼、俺は、紙袋を開けた。 「またサンドイッチ?」 「うん、食欲ないんだ」 昨日の失恋か?と言われ、まあねと返しておいた。シェフとはとあるゲイバーで一緒になったことがある、彼には恋人がちゃんといる、だからいろんなことを相談していたんだ、まあ、俺の別れた原因には、あいつの浮気があって、早く別れた方がいいとアドバイスをもらっていたのも確かなんだけどね。 女子が遠巻きにこそこそ話しているのが聞こえる。 「あのー、総務の北山さんですよね」 「うん、なに?」 「彼は?」 「彼は、副社長だよ」 「え?」「嘘だー」 「嘘ついてどうすんだよ」 「まじで?」 うん、とうなずいた。 キャー、隣いいですか? なんて、当分はハミエル効果で、俺もモテルな。 食事が終わるころには俺たちの周りは女性達に囲まれていた、彼のキラキラにはかなわない。
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