第一話

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?―、やっちまったよー、ノンケかよー。 「あのさ、会社では絶対言わないで!」 なんで? 日本じゃまだまだ、ゲイというのは認識されていない、だめなんだという。 「変なの?」 「へんでいい、黙っていて、お願い」 昨日からごちそうになってるし、ベッドも借りたし、わかったと彼は言っていた。 会社に着くと、俺の知らない、いやいや、知っているけどめったに会うことのない部署、役員や秘書、部長より上の人がずらっと玄関にいる。 会長とか、違うな、どこかの会社のお偉いさんが来るんだろうな。 「ミスターハミエル、どこへ行ってらっしゃったんですか」 探しましたという、うえの人たちに囲まれて彼は、どこかに連れ去られた。 「坊ちゃん助けて!」という声だけ残して。 「おは」 「おは、坊ちゃん?何?彼だれ?」 さー?俺は彼が連れ去られたほうを見ていただけだった。 「おはようございます」 「おはよう」
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