花の雪が降る冬の空の下

3/7

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
まるで砂の城みたいだ 子供が遊びで 一生懸命に作った すぐに壊れてしまう 脆い城 「…」 朝は嫌いだ コイツの目が覚めてしまうから 目も耳も塞いで 何も見えなくしてやりたい 外の世界を見ないように 俺以外のやつを映さないように 俺から離れていかないように 俺の元に帰ってくるように 「んー…ゆう…き…?」 「…おはよ。泰成」 「毎朝羽交い締めして起こすなよな…」 「俺なりの愛情表現」 「歪んでるっていうか…荒んでんな…」 本当は お前の息の根を止めてしまいたい このまま永遠に俺の物にしてしまいたい 「…なぁ、勇気。」 永遠なんてありはしないのに 「いつまでこんな生活続けんだよ」 「……え…」 「お前がこっち来てから一年くらい経つじゃん。昨日お前が風呂入ってるとき俺親から電話きたんだよ」 待って 「いつまで一緒に住むんだって。そんなんじゃお互い彼女も作れないだろって」 待って 「なぁ、もう潮時だと思うんだ」 まだ心の準備ができてない 「そろそろ、いい加減にさ…」 まだ 聞きたくない…!
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加