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その高校では、一ヶ月前に、いじめによる自殺が起きていたのだ。
警察は一連の関係を調べている…と言っていたが、教師の誘拐と生徒の自殺、小山の頭の中ではうまく結びつかなかった。妹はいじめに関与はしていなかったらしい。母によると、だが。
「不謹慎だけど、すごいな」
「頼むよ。俺に何かできないかな」正直母親から聞いた話、警察の対応は雑で信用できないという。
「うーん…」木村は腕を組む。
「もう一つ、お前が気に入りそうな話がある」
「ほう」木村は身構えた。
「これ、見てくれ」そう言うと小山は自分の携帯電話を差し出した。
「何だこれ、いたずらかよ」
それはメールの受信画面だった。
「お前の妹を預かっている。
言いたいことは一つだけだ。身一つで、今日の深夜14時、夕日町SAまで来い。
お前の妹はそこで差し出そう。
しかし、万が一警察に他言することでもあれば、その時はどうなるかわかるな。
大学生と聞いた。わからないほど馬鹿でもあるまい」
木村は顔をしかめた。
「一つしか言いたいことがないって言ってんのに二つ話してるし、なんか中二臭い文だし、いたずらにしか見えないぞ」
「最初は俺もそう思ったさ。けど俺、よく考えたら」
「考えたら?」
「そのメールアドレス、家族にしか教えてないやつだった」
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