第一部 死闘編  第一回 約束

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③三戸城 平蔵が、側衆10人程を引き連れ三戸城に到着。側衆筆頭は剣豪としても名高い金信就。小笠原信浄も同行。 早速、南部家当主の南部晴政に挨拶に向かう。平蔵が広間に通されると、そこには南部家の重臣達も居た。 南部信直:石川高信の実子だが、男子の無い晴政の養嫡子となった。 八戸政栄:南部家臣の筆頭格。目を患っている。 石川高信:津軽郡代。平蔵の上司に当たる人物。 九戸政実:平蔵の伯父。久慈家の上司に当たる。 北信愛:南部信直を補佐。 久慈信義:九戸政実を補佐。平蔵の実兄。 南部晴政「元服の儀を執り行う。大浦平蔵は前へ。烏帽子親は石川高信とする。」 平蔵が三尺前へ進み座り直す。高信が烏帽子を被せ顎紐を結ぶ。 高信「貧相だのう。髭くらい生やせ。」 一同が笑う。 晴政「これより、平蔵は大浦為信と名乗るが良い。家督継承の届は持って来たか?」 為信「これにて。」 晴政「うむ。大浦為信の家督継承を認め、旧領を安堵致す。並びに津軽郡代補佐を命ずる。」 為信「大浦為信、生涯この御恩を忘れず、奉公に励みまする。」 為信は、南部晴政の直臣となった。 石川高信「これで鹿角を取り戻す軍勢が揃いましたな。」 南部晴政「来年には出兵致す。各自、準備を怠りなきように。」 戦の前に、しっかり体制を整えておかないと。
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