第一部 死闘編  第一回 約束

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④大浦城 平蔵改め大浦為信が大浦城に戻ると、森岡信元と兼平綱則が事務仕事に追われている。 信元「殿、朱印状に署名をお願い致します。」 封建制度の基本は、御恩と奉公。主君は家臣に朱印状を発給して領地を安堵し、家臣は主君への忠誠を神に誓うのである。家督継承の際は、朱印状の更新を行う。 信元「堀越城の城主は、誰に致しまするか?」 堀越城は、戦で焼け落ちたまま城としての機能は失っている。城主と言っても所領を治めるのは、大浦城からになる。 為信「爺、其方が治めよ。」 信浄「某にございまするか?」 為信「馬廻りのことは心配するな。(金)信就が付いている。爺は家老として我を支えてくれ。」 信浄「信就殿ならば剣の達人ですから安心にございますな。」 信元「では、家老を我等三人として、評定衆にもう三人加えたいと存じます。」 一町田信清:一門衆。所領約1000石。 桜庭信正:譜代衆。所領約1000石。 葛西祐清:譜代衆。所領約1000石。 信元「それと大浦家で抱えている客将が居りますが、どうなさいまするか?」 放逐するか、禄を与えるかは大浦家当主の為信次第。 為信「会ってから決めよう。」
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