第二部 大名編  第一回 本能寺の変

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④大浦城 為信は田子信直が南部家を継承との報を受け、緊急の評定を開く。 沼田面松斎「歴史は乱世と治世を繰り返しております。大浦家が治世まで生き残るためには、田子信直を討ち取るか独立の大名になるかですな。」 大浦家は田子信直の南部家家督継承を認めない立場から南部信直とは呼ばない。 森岡信元「津軽を統一したとしても、南部に攻め込むには兵力不足。他国との連携が必要になりまするな。」 面松斎「安東愛季は田子信直と組んでいるし、連携するとすれば九戸政実殿ですな。ただし、領地が離れておりまする。」 信元「山伏を使えば問題ないでござろう。」 兼平綱則「政実殿も一応は南部家臣。あからさまな行動はできないかもしれませぬ。」 面松斎「たしかに。過度な期待は禁物にございますな。」 小笠原信浄「となると、独立した大名になるためにはどうすれば良いのでございまするか?」 面松斎「守護の任命権は征夷大将軍足利義昭にありますが・・・。」 信浄「織田信長に追放されてしまいましたなぁ。織田信長が幕府を開くのでござろうか?」 面松斎「足利幕府再興を掲げて上洛しておいて将軍を追放したのでございますから、信長には天罰が下るが宿命かと存じます。」 その年の6月、本能寺の変。 問題は誰の治世になるのか?
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