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一目惚れ
男、風見比呂は学生である。
昼休み。(まだ昼休みではない)
時計の針は十二時を指し、チャイムが鳴る。今度こそ学生にとって貴重な昼休みの時間だ。
比呂は、バックから弁当を取り出して、教室を後した。
階段をのぼり、屋上へと進んでいく。
そして、辿り着く。
屋上は本来、立ち入り禁止なのだが、この男は気にしない。
屋上じゃなければ落ち着いて飯も食えん。
「ふぅ……」
比呂は吸って、
「はぁ~~」
はいた。
青空が広がり、奇麗な空気だ。
「あの……」
背後から一人の女の声。
大人しい雰囲気の声量だが、比呂の脳内や五感を通じてもここの学校の生徒ではない気がしてはならない。
比呂は振り向いた。
ロングヘアを靡かせた女性が目の前に立っていた。
比呂は見た瞬間、激しく心臓が動き出していた。それとも心が動いていたのか、それは本人でもわからないことだった。
「どうした……何か用か……でありますか?」
緊張して、口調が変になってしまった。
「えっ!」
女性は驚いて、一歩引き下がっていた。
比呂は内心焦るが、女性が先に口を開いた。
「私の……見えるんですか?」
「えっと……」
比呂は言葉に詰まる。
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