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だいぶ前になってしまうけれど、彼女の友人から連絡が来た。
その日は暑い夏で、夏休みを謳歌しているというときだった。
「夕子は死んだんだ。結局体がもたなかったみたい」
彼女の友人自身も精神を病んでいて、「病み垢」で僕とつながりがあった。僕は心のどこかでああ、やっぱりなと思っていた。いつか、いなくなってしまうことは目に見えている生活と精神状態だった。それは僕自身も重々わかっていた。だから、涙がでることはなかった。それは高校3年生、彼女がなることができなかった、学年になっていた頃だ。
パソコンの電源を切り、僕は脱力し布団へもぐりこんだ。もう届くことはない、未来からのお返しだ。人の生死は切り捨てられても、自分がそうなってしまってもあの懐かしいイラストだけは切り捨て過去に置き去ることはできなかったのだ。
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