一話 目が覚めて

2/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「何処だここ…」 笠戸綾晴が目を覚ましたのはベットの上だった。 ご丁寧に布団までかけられている。服は転移した時に来ていたジーパン、白い長袖Tシャツ(無地)、コートは上着掛けに掛かっていて、黒いランニングシューズとバックパックと刀も近くに置いてある。 綾晴「転移は成功したのか?」 何故異世界へ転移したはずなのにベッドにいるのか不思議に思いながらあたりを見渡す。 この建物ははどうやら木造のようだ。周りにはまるで綾晴のことを看病していたかのように、おけとタオルが置いてある。すると、 「お、目が覚めたか。」 と顎にジョリジョリしてそうな髭を生やした筋肉ムキムキの大男が現れた。 「ああ、助けてくれて?ありがとう。ところでお前誰だ?」 「ん?俺は狭山剛ってもんだ。お前は?」 「俺は笠戸綾晴。俺はどうしてここに?」 「お前質問ばっかだな(笑)。こっちだって聞きたいことは多いんだか。」 「?」 「なんたってお前上から降ってきて頭ぶつけて気絶したんだぜ、ハッハッハ!」 「!?」 (あの占い師空中に転移させやがったのか…) どうやら綾晴は異世界転移の際、空中に転移して落下、気絶し、それを剛に運び込まれたらしい。恩人だ。 剛は娘と一緒に武具店を営んでいるらしく、看病してくれたのは娘の方らしい。夕食の買い物に出かけているらしい。 剛が綾晴を助けたのは綾晴の武器である刀二本に興味を持ったかららしい。 「これは刀だろう?名前はあんのか?」 綾晴「ああ、赤い鞘の方が椛、黒い鞘の方が鴉だ」 綾晴の刀である椛と鴉は持ち主の「刀力(とうりき)」に反応し力を発揮する。椛は赤い鞘に赤と黒の柄、黒い鍔、刀身は銀色の刀だ。鴉は黒い鞘に黒い柄、黒い鍔、黒い刀身の小烏丸造りの刀だ。刀力というのはいわゆる魔力、妖気等の類でこれを制御出来なければそもそも尸は見えない。刀力を鍛えるには刀の鍛錬が一番効率が良いだろう。誰でも育てようと思えば育てられる。そして椛と鴉は… 「人間化出来る」 「は?」 「鴉はあまり言うことを聞かないから基本しないけど椛なら出来る。」 「フェ?」 「椛、人化して。」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!