1人が本棚に入れています
本棚に追加
高校の授業は、私が集中を切らしていても進んでいく。自分の顔がどうなっているのか、どうしても考えてしまい、鞄から小さな鏡を取り出してしまった。
こっそりのぞくと、朝には形を保っていた、首までとけだしていた。
恐怖で鏡を勢いよく閉じる。
その閉じた手が、とけ始めていないのかという考えが浮かび、目を向けた。
まだ手はとけていない。
だが、時間が経つにつれて、だんだんとけていっているという意識をはっきり持ってしまった。
また、今朝のように、不安を忙しさで誤魔化そうとした。
これはどうでもいいことなんだ。だって、私には他にやらなきゃいけない事が山ほどある。授業は進むし、先生に頼まれた部活の雑用や、委員会、塾、きりが無い。
だから、もう自分の姿を見ないように、教科書をひたすら読み続けた。
最初のコメントを投稿しよう!