とける

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心身を休めようと、保健室で熱っぽいと嘘をついてしまった。先生は平熱でも、気分が悪いなら寝ていてもいいといってくれた。 だが、寝付けない。 最近ちょっとした不安で、寝られないことが増えたから慣れてしまったけど、苦しいことには変わりない。 まだとけていることと同じように、解決策を見つけることはできないでいる。 「絵理さん、調子どう?」 二十分ほどしか寝ていない気がしたのに、いつの間にか放課後になったようだ。 「少し楽になりました。先生、ありがとうございました。」 「よかったわ。今日は早く寝るのよ」 「はい、失礼しました」 すぐに眠りにつけたら、毎日早く寝るのにな。 横目で見ている花瓶にうつった自分はどろどろとして、むしろ悪化していた。
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