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少し歩いて小路に出ると老人が倒れていた。
「お、お爺さん、お爺さん大丈夫ですかっ!?お爺さんっ!」
大声を出し、呼吸確認等々、高校の保健で学んだ応急手当法を行動にうつし、お爺さんが巷で有名な豆大福の箱を握っているのを見て、お爺さんが豆大福を詰まらせたのだと分かった。
「お爺さん、豆大福を詰まらせているんですよね!?
出しますからちょっと眼を閉じていて下さいね!
行きますよーっ、1、2、3ッ!」
背中を強く押すと変形した豆大福がコロンとお爺さんの口から出てきた。
「ありがとうね。現代にも心優しい若者は居るのだな。君、佐槇 和人の息子だよな?」
「え?何で親父の名前を…。」
「君の親父さんとは古い知り合いでね。これをあげよう。」
「え…?っと、これは?」
「じゃ、またねー。」
老人は静かに去っていった。
一冊の冊子と俺を残して…。
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