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室町幕府崩壊
タカトラは紅葉館を出て、バス停のベンチに座った。川の音が心地いい。
月が雲の切れ間から姿を現した。
明日には戦国時代に戻らないといけない。バスのライトが見えた。
バスの中はガラガラだった。
一番後ろの席に座った。
再びトリップした。タカトラはどこかの教会の前に立っていた。
銃弾が霰のように降ってきた。
タカトラの着ている真っ白のシャツが真っ赤に染まった。
ハッ!としてトリップから覚める。
『次は五所川原』
鳥居の前に立った狛犬が悍ましい。
ワオーン!犬の遠吠え……Gショックを見た。23:59から00:00に切り替わった。
石段のところに白い光が見えた。
その光から蜂屋頼隆が現れた。
「タカトラ、迎えに来たぞ?」
タカトラは戦国時代に帰っていった。
僕は何をしていたんだ?
いつの間にか神社に来ていた。
夜は怖い。
白装束の女が立っていた。
「よく来たな?選ばれし者よ」
「選ばれし者?」
「お主にこれをやろう」
女は黒いハチマキを僕に渡した。
それにしても、大浴場にいた爺さんは何者だろうか?
僕は自分が特定の曜日に物凄い力を出すことを知っていた。だが、自分に戻ったとき、超人だったときの記憶は斑だ。
認知症とかアルツハイマーってこんな感じなんだろうな?
火曜日は戦えない日だ。
今日は大人しくしていよう。
温泉に入ったり、万葉公園に行ったり、西村京太郎記念館に行ったりした。
夕食を終えて、和風な部屋で鳴海章って作家の書いた『薩摩組幕末秘録』って小説を読んだ。
あっという間に水曜日になった。
タカトラに変身した。
宿を出て雑木林に来ると妙な気配がした。タカトラは黒いハチマキをした。凄まじい力が体の中で漲ってきた。
4つの人影が林の奥から現れた。
伊賀忍者だろうか?忍び装束を纏い、刀を構えている。タカトラは斬りかかってくる忍者たちを拳で次々に薙ぎ倒していった。技が決まると忍者は消滅する。
戦国時代は室町幕府が崩壊したばかりだ。厳密に言うと向こうは1573年だ。
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