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(たのもーーー!)
時代劇の道場破りのような感じでバスルームを開ける。
「き、きました」
「いらっしゃい」
雪平はすでに湯船に浸かっている。
「……」
ユニットバスとトイレが一緒にあるタイプの浴室ではないため、きちんと脱衣所と洗い場がついている。
雪平は湯船に入っていて、バスソルトで濁り湯になっていた。
フローラルで清潔な薫りがする。
ふんわりとした湯気の中、肩から上までしか露出していない雪平。
すっぽんぽんで道場破り状態の仁王立ちな花澄。
(圧倒的に不利だ!)
「ず、ずるい」
思わず花澄はつぶやいてしまっていた。
「わ、わたしばかり恥ずかしいです」
「あら」
雪平はくすりと笑った。
「どうして?」
「だ、だってわたしはこれから体を洗って、湯船をまたいでお風呂に入らないといけないのに雪平さんは全て済んでるし」
「それ、ずるいのかしら」
「うっ」
「ふふ」
雪平は気分を害することなく笑っている。
「フェアじゃないのなら私も最初からやり直すわ」
ザッパーンと雪平は湯船から立ち上がる。
豊かで鋭い形の胸が力強くバウンドした。
切り込みの深い、筋肉質の腹部、そして手入れがされているVIO、お湯と汗の滴る妖艶な太腿まで露わになる。
「私もそちらに行くわ」
「え、え、ええ」
「そして洗うところから見てもらおうかな」
「え、え、え?」
「それよりも、そうね」
雪平はくすりと笑う。
「なんなら、洗いっこしましょうか」
「……」
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