異文化交流

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落ち込みかけた、その時。 ルカさんがまた優しく微笑み、可愛らしいくまのイラストが描かれた、茶色の紙袋を僕に手渡した。 「これ、つまらない物ですが。  ロシア産の、チョコレートとキャンディーです。」 ロシア産のチョコレートと、キャンディーだって? 以前旅行のお土産で貰った事があるけれど、日本の物とは違い、すごく甘くて、すごく美味しかった。 「ありがとうございます。  ...めちゃめちゃ、嬉しい。」 頬の筋肉が、だらしなく緩む。 そんな僕を見て、二人は驚いたように大きく瞳を見開いた。 「なんか久米さん、笑うと雰囲気が変わりますね。」 クスクスと、マッテオさんは笑っている。 こくんと頷き、その隣でルカさんも静かに笑った。 ちょっと恥ずかしかったけれど、でも結果オーライ? ホント、優しそうな人達でよかった。 ...でもこの機会に、英語くらいは勉強し直すべきかもと、ちょっとだけ反省した僕なのだった。
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