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そう言い放ちそそくさと小走りに消えていく。
ーータモリンの監視かよ?
ーー今日はデートしないっての!
ーーそんなに心配なら首輪でもつけとけ!
ーーアンタがそんなんだからタモリンも浮気すんの!
ーーあーーーっ!ムカつく!
それでも…しがない会社員。
黙って仕事をするしかない。
まさに今、何かと流行りの『パワハラ』ってやつ。
しかもこれには『嫉妬』も混じっているからタチが悪い。
諦めて化粧室に駆け込み、個室の中でエリに電話する。
「エリ!ごめん!」
「えーーーっ!またあ?」
「また。再来月号の温泉企画、8p見開きのラフ案を今夜中って」
「何それ!今夜中とか無理に決まっとおやん!」
「おっ、博多弁やね。怒ると必ず出るもんね」
「もっと、華も怒りいよ!ムカつくやろ?!」
「まあね…でもさ…今夜中にあげんとまた何言われるかわからんやろ?」
「わかった…今度、動画でも撮って拡散するか」
「まったあ…そんな無茶したらいかんぜよ」
「また龍馬かぶれ?」
「まあね、それくらい言わんとやってられん!」
「じゃ後から差し入れ持って行くね」
「サンキュー」
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