隠されていた過去

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1b89d219-2bfe-41c8-b995-a5188a4e02f8 朝方、しそびれていた太郎ちゃんに電話した。 「もしもし」 「良かった…ちゃんと着いたんだね」 「うん」 「でも…」 太郎ちゃんはわたしの言葉を     ()かすことなく    黙って…優しい息遣いで待ってくれた。 「1分だけ…たった1分だよ…間に…合わんかった。なんでなんだろ?うち、急いだとに…」 「そっかあ…じゃあ…ちゃんと最後まで…気持ちの整理がつくまでおばあちゃんを見送っておいで。会社のことは心配しなくてもいいから」 太郎ちゃんは静かに、優しい声でそう言ってくれた。 「うん。ありがとう。またメールする」 「無理にしなくてもいいからね」 「うん」
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