334人が本棚に入れています
本棚に追加
この愛の果てに
長崎ではおばあちゃんの初七日まで済ませ、10日ぶりに東京の会社に出社した。
「華、大変やったね。大丈夫?」
「うん、泣くだけ泣いたからもう大丈夫。ありがとう、エリ」
「でも華の次は太郎ちゃんか。大変だあ」
「えっ?何のこと?」
「まさか太郎ちゃんから聞いてないと?」
「うん、何を?」
「太郎ちゃんのお母さん、認知症になったみたいで、施設に入れる手続きとかで一ヶ月休職したみたい」
モグモグとチョコを頬張りながら話すエリ。
そして左手の薬指に光る指輪を
これ見よがしに見せひけらかすエリ。
それを遠くから優しい眼差しで見ている鈴虫君。
最初のコメントを投稿しよう!