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車を停めてからもう1時間。
深夜11時過ぎーーーーー
5メートルくらい向こうに見える
微かな自販機の灯りを見つけた。
まだまだ霧がはれそうな気配もないまま
ひとりで過ごすのに飽きて
缶コーヒーでも買いに出ると
わたしと同じように考える
車のスモールライトの灯りが
前にも後ろにも連なっていた。
ーーこれじゃあね…走れってほうが無理だもんね。
自販機に小銭を入れると灯されるボタンの緑色の光が仄かに美しく見えた。
冷えた指先でボタンを押すと
ガタンっと音をたてた。
コーヒーが出るのと同時に
後ろから見知らぬ女のひとに声をかけられる。
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