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野崎さんたちに残された子供を託す手紙を書き終えると、静かな夜の海に一艘の古びた木造の船を海に押し出し
それに乗ると持っていた青酸カリを飲み、澄み切った満天の星空を眺めながらボートの上に仰向けに寝た。
そしてーーーーー
1週間後、軍艦島の西方1kmの海上でジャンの乗った船が発見されることになる。
子供たちを大切に思い過ぎた余りの凶行だった。一人でも未来ある子供を助けたかっただけだったのに。
行為そのものは歪んではいても
心は真っ直ぐで美しかった。
そう思わざるを得ない。
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