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華が旅立って3年目の冬。
粉雪が舞う長崎の海の上に一艘の古びた木製の船が発見された。その上には雪に覆い隠された優しい死顔の太郎が眠るように横になっていた。
「華…やっとやっとやっと逢えたね」
「うん」
「また泣く…華は泣き虫だから仕方ないか」
「仕方ないの…だって太郎ちゃんのことずっと待ってたんだから」
「今度はずっと一緒にいられるんだよね」
「そう…ずっと華を抱きしめてキスして眠るよ」
「うん」
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