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そして多分5回目位のデートの帰り道、
手を繋いで歩く道の途中、
都会のビルの狭間に引っ張り込まれ
いきなりキスされた。
「ちょっと…ちょっと…何」
「華さんが好きなんです」
「ちょっと…待ってって」
一度は拒んでも…それでも嬉しかった。
誰にも必要とされていない自分をーー
ここまで求めてくれるタモリんが
必然的に『好き』になっていく。
それは実感であり錯覚だった。
例えそれが錯覚だったとしてもーーーー
それでも必要とされる喜びには勝てなかった。
その悪魔の渦の中に引き込まれていった。
それからはわたしからキスしてあげた。そして近くのホテルにどちらからともなく歩いていく。
そして完全に『不倫』の藪の中に迷い込み、都会の中で誰も見ることのできない隙間を探して歩く。
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