333人が本棚に入れています
本棚に追加
/215ページ
いつもの編集長の華イビリタイムが始まる。
「明後日までに、オラビス化粧品の見開きキャンペーン広告のラフ原案。材料はこれと…これと定番のやつ」
「あの…今月はまだあと4本持ってるんで、石井ちゃんにふってもらえませんか」
「チーフなんだから、それくらい楽勝でしょ!それとも官僚の奥様は腰掛け気分で仕事されてるのかな?ねえ、みんな。そう思うわよね」
「すみません、わかりました。明後日ですね。了解です」
みんなこっちを見て気の毒そうな視線を送る。
席に着くとラインが入る。編集長以外の部内の会話はラインが基本。相手は石井ちゃん。
ーー華さん、一件わたしが引き受けましょうか?今月はあと1本なんで。
ーーごめん、1本だけ振ってもいい?
ーーいいですよ!
ーーじゃあ、編集長が出かけたらそっち行くね。
最初のコメントを投稿しよう!