334人が本棚に入れています
本棚に追加
それでもまた明日になると
保の嫁にいびられて
また気持ちが遠のいて行く。
そしてまた家に帰るとまた保を
保の声色を探す女に嫌気がさしていく。
もし保が離婚できたとしても
わたしが離婚できないのだから、
この恋が先に進んで行く可能性は
限りなくゼロに近い。
テレビを見ていてもその先に訪れる遠い目の君の姿を思い出す時間が怖い。
ただ一つだけ心が和む時間があるとすれば、
それは肌を重ねて、唇を重ねて、時間を重ねて、思いを重ね合う刹那だけ。
確かな約束もない未来より、
確かな温もりを感じる瞬間のためだけに
また明日もあの女に味合わされる
屈辱に耐えるの?
見えない未来が怖くなる。
辛くなるほど保から離れようとする。
辛くなるほど保に寄り添う心。
自分が見えなくなる。
わたしはただやさしいキスをして、いつでも抱きしめてくれる人にそばにいて欲しいだけなのに。
最初のコメントを投稿しよう!