月に濡れたふたり

14/25
前へ
/215ページ
次へ
0f6c03fa-8796-4566-a2a7-0fd0a66d0912 「華に逢いたい。華を抱きしめたいよ」 「うん…」 そう甘えられる度に消えていく辛さ。      それでもその刹那は    すぐに炭酸の泡みたいにはじけていく。 「キスして」 どれだけ言いたくても、そう言えるのって月に一度か二度。 それ以外の28日はただただ辛いだけの夜。 だからエリを誘って酒の力を借りるしかなくなる。このままだとアル中女になりそうな自分にまた嫌気がさして、またまた自己嫌悪に陥る。 永遠に続く。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

334人が本棚に入れています
本棚に追加