出会いと別れ

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5deb05c4-1dbb-49c7-802f-c4ed95b74308        ーータモリん…  いま会ってもどうしていいか、どんな答えを出していいか分からず、無意識に(きびす)を返して東側の中庭に走ってしまった。 逃げるわたしを見つけたタモリんは直ぐに追いかけてきて、元々かけっこも遅かったアタシの脚で逃げ切れるわけもなく、中庭の角を曲がったところで手を掴まれた。 「ねえ!華!待ってよ」 「どうしたの、保?そんな怖い顔して。離してよ!痛いじゃん!」 「あ、ごめん。でもなんで俺を避けるの!ねえ!」 「…」 「ねえ!華!なんか言ってよ!メールも電話も出ないし、営業に行った時でさえ目も合わせないし…このままじゃ俺、どうにかなっちゃいそう。ねえ!華は俺のこと嫌いになったの?」 掴まれた腕を振り(ほど)こうとしても(ほど)けない。 「ねえって!何とか言ってよ!」 「…」  保はアタシの肩を両手で掴んで問いつめる。それでも彼の問いに答えることできない。 答えてしまえば…この恋が終わってしまう。      目を見てしまえば…泣いてしまう。    心を(さら)け出せば消えてしまう。 「ごめん…」  タモリんの手を振りほどこうと大きく手を振り上げた瞬間、芝生の上に倒され彼に抱きしめられた。
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