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わたしがまだ玄関のドアの前にしゃがみ込んでいる時、保はマンションの前にあるコンビニの余り広くない駐車場にしゃがみ込んで缶ビールを飲んでいた。
ーー俺の中の…
華だけを想って積み上げて来たはずの
想いがガラガラと大きな音を立てて
崩れていく。
ーーなんで出会ったんだろう…
俺たち。
一緒に寝て一緒に起きた
あの頃に戻れるはずもないこと
分かってるけど…
ーーあんなに好きな気持ち
伝えたくて来たはずなのに…
こんなことになるなんて…
なんでなんだよ!
缶ビールも三本目になる頃、前を通りかかった二十歳にも満たないような数人の若者にからかわれ始めた。
「何ブツブツ言ってんの?おっさん」
「もしかして女にフラれたってか?」
男達を睨んだ保ーーーー
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