出会いと別れ

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fe0f22c5-69bf-41c8-9c82-2a983bd55883  満月の夜空の下、所々血が滲み乱れたスーツを来て、よろけながら都会の狭間(はざま)をあてもなく歩きながら、時折、西の空に傾きかけた満月を見上げるとまた華を思い出す。     ーー華…きっともう大丈夫…         だからさあ、    華が大好きなデザイン頑張れよ。       華が作った広告が俺…        一番好きだった。       ーーこんななる前に       俺が勇気出せてたら…      俺たち違ってたのかな?          ーー華…     今頃お前もこの同じ夜空見て      泣いてたりすんのかな?          俺たち…    同じように寂しい二人だったから…        惹かれたんかな?       ーーしあわせになれよ…          華のこと…       本気で好きだったんだ。   たとえ不倫でも…今までで一番好きだった。       誰より華が好きだった。      ーー俺が好き?って聞くと    いっつも華は『それ言うんだ』って        『好き』って言葉      聞かせてくんなかったよね…       ーーもっといっぱい      華の言葉聞きたかったよ…    きっと華には俺なんかより    ずっとお似合いの男現れるから…    その人しあわせにしてもらって…      いっぱい笑ってくれよ。    ーー華の笑顔が一番好きだった。 路地裏にあった一軒のバーの中に           空を見上げ入った。
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