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「実はあ…彼氏できちゃいましたあ!クリスマス前滑り込みセーフ!」
と満面の笑みにピースを何度も何度もわたしの顔の前に突き出すエリ。
ーーえっ?太郎ちゃん?
「誰よ、誰、誰?」
「第二営業部の鈴虫くん」
「ん?鈴虫?」
「鈴木洋一くん!38歳。」
「誰それ?」
「失礼な女!ちょっちょっとこっち来て」
とわたしを編集室の隣の営業の部屋のガラスのドアまで引っ張っていくエリ。
「ほら…見て。ほらあの…今、壁際で太郎ちゃんと話してる人。彼が鈴虫君」
「あーね…エリが好きそうなイケメンだね」
「でも…あの人結婚してなかったっけ?」
「二年前にバツイチになったんだって」
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