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イブの夜、慎吾は部下に仕事を任せてマンションにいた。
横浜の家と比べると質素な感じのする
1LDKの部屋のガラスのテーブルには
ウイスキーグラスが一つだけ。
ロックでお気に入りのバーボンをあおっていた。
グラスの中の氷の大半は溶け、
クッキリ二層に分かれ
グラスの表面には無数の水滴が、
一定の間隔で赤や黄色などの色に染められていく。
慎吾が右手を伸ばした時、電話の着信音が音のない部屋に響いた。
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