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午後6:51
あーーーーっ…疲れた。
どうにか間に合った?
スマホで時間を確認すると7時前9分。
エリとは7時に約束していたから、
急いで机の上を整頓して、
私物をバッグに入れ
帰ろうとしたところで毎度のごとく、
女狐がわたしの名前を大袈裟おおげさに叫ぶ。
「ちょっとちょっと!内田さん!ごめーん。ちょっと来てくれるかなぁ?」
その気もないくせに
その媚びを売るような口調は何?
マジ、いらつく!
それでも無理矢理の作り笑顔で
「はい、何ですか?ちょっとこれからエリとこれなんで、手短にお願いできますか?」
と少々、下手に出ても結局は同じこと。
「あのね…悪いんだけど今夜中にさ、再来月号の温泉企画のページのラフ案見開き8pお願いできる?」
「でも…来月号の校了上げたばっかなんで…今日くらいは…」
「ダーーメーーー!明日編集長会議あんだから、かっこつかないでしょ?飲み会はまたにして、今夜中に必ずあげといてね!それじゃ、よろしく!」
と言ってわたしの肩をポンっと叩く。
あーーーっ、
イラつく!触るな!
「それじゃ帰るとするかな、みんなお疲れ!」
明日の編集長会議?
それならもっと前もって言えって!
マジ、ありえん!
あからさまに当てつけのように
前日の断れない時間になって
仕事を振る女。
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