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スーパーを出て北風の中を歩いて白いイルミネーションで彩られた坂道を登っていく。
ーーマンションの前に太郎ちゃんがいて
「よっ」とか言って
微笑んで立っていてくれたり…
とかないよね。やっぱり…。
期待するだけ虚しいのは分かっていても
やっぱり期待してしまう女。
エントランスボックスにキーを差し込んで中に入る。
他人からすると綺麗な大理石張りのエントランスなのだろうが、わたしにとっては獄中へのただの入口に過ぎない。
それ以上でも以下でもない。
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