第4章 モテ期がきました

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「僕と結婚してください!」  休憩室のドアを開けた瞬間、店長が頭を下げ、私の前に手を差し出していた。 「こんな感じかな……」  店長は顔をあげ、唖然としている私と目が合い、さっと顔色が青くなる。  たぶん、一瞬だったんだろうけど、体感時間的には恐ろしく長く感じられた沈黙が流れた。 「ご、ごめんなさい!」  私はキレイな90度のお辞儀を披露し、ドアを閉めようとする。 「うわっ! 待って! 待って! 僕を犯罪者にしないで!」  店長は慌てて事情を説明した。 「実はさきさんにプロポーズをしようと思って、練習をしていたんだ」 「えっ、お、お二人は、そ、そういう関係だったんですか?」  私は驚いて、飲もうとしたお茶のペットボトルを、落としそうになる。 「改めて言われると恥ずかしいなあ」  店長は顔を赤くして、はにかむように笑う。 「ど、どれくらい付き合っているんですか」 「今年で3年くらいになるかな」  3年って結構長いなぁと、考えていたら、イッサが肩を揺らしてきた。 「エレナ、私がプロポーズ手伝いますって言いなさい!」 「な、なんで私が」 「うん? ど、どうしたのエレナちゃん」     
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