第4章 モテ期がきました

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 私はイッサに話しかけられて、つい返事をしてしまった。イッサの姿が見えない店長は、キョトンと鳩のような顔つきだ。 「え、えっと、なんで、私がそんな重要なことを知らなかったのかなと」 「わざわざ自分から話すことでもないかなと思ってね」 「ほら! 手伝うって言いなさい! あなたは私の手伝いをするためにここでバイトをしてるんだから」  そういうことか。二人がカップル候補だったんだ。早くイッサも教えてくれればいいのに。 「プ、プロポーズ、私にもお手伝いさせてください!」 「えっ、い、いきなりどうしたの?」 「お、お二人には、いつもお世話になっていますし、お手伝いしたいんです!」  私はずいっと店長に詰め寄る。勢いで誤魔化そう。 「エレナちゃん」  店長の眼光がするどくなる。店長の真顔怖いな。何人か人をやってそうな顔だ。  でも私も引き下がれない。イッサが店長の後ろで、黒い笑顔を浮かべながら、いちごパンツの写真をヒラヒラと見せつけているからだ。 「ありがとう! とっても心強いよ!」  店長は私の手を握り、目を細めて嬉しそうに笑っていた。直球でお礼を言われることがめったにないので、照れ臭い。
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