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そんな、「スキー」みたいに言わないでくれと、それからこんこんと私なりの死生観を披露し、ようやくおばあちゃんには納得してもらった。確かに、一人で寂しい毎日を送り、いつ来るか分からないお迎えを静かに待つのは、とても耐え切れないことだろう。ただ人間、生ある限り生きて行かねばならない。気を取り直して、次のターゲットへと発信をかける。大丈夫かな、あのおばあちゃん、変な詐欺なんかに引っ掛からなければいいんだけど・・・
しかし、あの世とは、いわゆるイコール天国なのだろうか。そこへ行けば生の苦しみから解放されるのだろうか。そう信じるに足るには、先ずは日々を一生懸命生き、与えらえた仕事に精一杯打ち込むことだ。そうだ、嫌な仕事、迷惑がられる仕事でも頑張ろう、そうすれば死んだ後に必ず、安らぎの場である、あの世へときっと案内される。
そこで、呼び出し音が途切れた。
「あ、はい、あの世へのご案内です」
・・・げっ、間違えた。
つーか私、「仕事人」か・・・
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