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私は頭の中から、有線でつながったスマホをだして優辞ちゃんに渡した。
古いNPCのサポート用に、体内に入れられるスマホは便利だ。
それで防犯カメラからの映像を見せる。
優辞ちゃんは逃げられるスキを探すつもりらしい。
目を皿の様にして見ていた。
「……襲撃者が、2階にきてる」
声を潜めてそう言うと、悠里ちゃんも口をつぐんだ。
こうなると、人間もNPCも関係ない。
できるだけ縮んで、辞書の盾に隠れるだけだ。
襲撃者は、無人の階段を上がってきた。
その時、階段の上と下から2機のドローンが現れた!
学校のAIは小さな守護者を使って、襲撃者の前後から殴りかかる!
衝突防止用のシールドがついたドローンは、それなりに重い。
正面から突っ込んだドローンを、散弾が襲う。
2回発射された散弾は、その後ろにあった窓ガラスごとドローンを撃ち落とす。
その大きな音に、襲撃者自身もたじろいだようだ。
後から、もう1機のドローンが体当たりする。
膝の後にぶつかり、バランスを崩そうと狙っていた。
だが、重さにあまりに差があった。
襲撃者はすぐに手すりを握って立つと、2階に駆け上がった。
ドローンが追う。
襲撃者は、散弾銃を野球バットのように振り回し、ドローンを殴った。
弾切れの様だ。
ドローンは放されたものの、あきらめず跳びかかる。
襲撃者は銃を折り曲げ、空薬きょうを捨てる。
胸のベストから新しい弾丸を込め、再び2回撃った!
ドローンが、ふたたび窓ガラスとともに吹き飛ぶ。
派手な音は、本当にすぐそばで起こったことだ。
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