NPC(never player character)

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 でも、あるうわさを聞いた時、それが変わった。 「その若い社員は大山社長の隠し子で、社長令嬢とは血のつながったきょうだいだから、無理やり別れさせられたって――」 「違う! 」  大きな声。  だけど、昔聞いた声より張りがなかった。  年齢以上に、老けた感じだ。 「ごめんなさい!  悪いのは、全部俺なんだ。  俺が小学生以下の、想像力も、協調性もないから。  子どもの様子を見れば、それを学べると思って。  だから昼休みに来た。  中学校を選んだのは、せめてもの自尊心だった。  でもやっぱり俺はバカだ。  何もわからなかったんだ……」  一息にそれだけ言った。  それから、また黙り込んでしまった。  私は、彼が実はドッキリを仕掛けていたとか、実は偽物だった。という証拠を探した。  でも、そんなものは、なかった。 「あの、ミオ先生」  おずおずした声で呼ばれた。  希少本を投げていた男子の一人。高松くん。  今学期からの転校生だ。 「銃撃そのものは、僕が原因。だと思います」  顔全体から、汗を吹き出しながら、話している。 「グラウンドの横の山を見ながら、散歩してたんです。  そこで、じっとグラウンドを見つめる男の人を見付けたんです。  その人が銃を持っていたから、驚いて大声をあげました。  でも、僕が銃を見慣れてないだけで、この辺りでは猟友会でありふれた物じゃないかと思い直して……」  本当に申し訳なく思っている様だ。 「あらためて、あいさつしようとしたら、大成さんが銃を撃ったんです。  無我夢中で走りました。  その時、クラスの友達が心配になって。  学校に入る人もいたから、ついて行ったんです。  考えてみたら、クラスのシェルターに入ってますよね」  高松くんの告白で、優辞ちゃんは嫌そうな顔をした。 「ちょっとまってよ。なんで銃を撃たれて、申し訳なく思わなくちゃいけないの? 」  私も思ったことを、怒りながら聴く。 「え? てっきり呼び止めるためだと」 「そんな人いるかよ! 」
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