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「銃だ。屋上に銃を持った人がきた! 」
その場にいた全員が、目を剥いて固まった。
「で、でも、警察じゃないの? 」
優辞ちゃんが、珍しく声を上ずらせている。
「だったら一人で、しかも民間のヘリでくるなんてありえない! 」
「じゃあ、二面作戦ってこと!? 」
大成くんを、にらんだ。視線だけで人を殺せそうな目で。
「それは分からない」
大成くんが動きだした。
「うわあああ」
本当に、動いているだけだ。
優辞ちゃんにおびえたのかと思ったけど、その目はうつろで、優辞ちゃんを見ていない。
「うわああああああああああ」
空間そのものから、殺意を感じたみたいだ。
手足をばたつかせるので、私と校長も加わり、4人がかりで抑え込む。
「外に連れて行こう! 」
屋上の人影は、出入り口に駆けると、ドアに何かを仕掛けた。
カギがかかったままのドアに。
そして、ヘリコプターに引き返した。
ドアで、爆発が起こった。
人影は、今度はヘリコプターの表面に仕掛けていた。
カメラでは見えない。
作業を済ませると人影は、手に箱を持ち、リュックを担いだ。
そして、爆発で吹き飛んだドアから学校に入った。
その直後、今度はヘリコプターが巨大な火の玉となって吹き飛んだ!
燃料と鉄片、それに窓を割る衝撃が、学校の全てを覆い尽くす!
まだ逃げきってない生徒や先生がいる。
その悲鳴が校舎に反響する!
その声を打ち消すかのように、また爆音が響く!
火災報知器が鳴った。
「見て! 火が! 」
優辞ちゃんが指差した。
屋上への階段は、一階まで人つなぎに続いている。
その階段が、火を吹いていた。
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