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お客が増えてくる。
田園風景を抜ける。
中学校は、もう直ぐ夏休み。
朝から太陽が明るい。
太陽は太陽電池で受け止められ、タイヤのホイールに電気となって送られる。
ホイールの中のモーターは、快音でそう快!
木漏れ日やトンネルに入ってもそれは変わらない。
バッテリーも快調!
最後に少し、人ごみや働きだす店など、街めいた雰囲気を楽しむ。
この辺りに建つビルやスーパー、街っぽい建物は、すべて大山グループの持ち物なの。
建設業を中心とする同族企業で、大山 喜代司(おおやま きよし)さんが経営する。
多くの従業員を雇って、さらに多くの人々の生活を支えている。
この辺りを、いわば城下町とする、地元の名士。
うちのレストランにとっても、3代続いてのお得意様。
でも、私はあんまり信用できないな。
だって大山さんは、私たちの店で部下さんと食事していたら、いきなり皿を部下さんに投げつけて、馬乗りになって殴り続けたの!
殴られたのは園田 大成(そのだ たいせい)くん。
中学校のOBで、図書委員だったから、よく知ってる。
原因は、ね。
大山さんには、喜々(きき)言う娘がいる。
その喜々ちゃんをお嫁さんにください。と大成くんがお願いしたから。
うちのレストランのディナーに招待したのは大成くんのほうだった。
きっと、勇気ある出費だったと思うよ。
……父親と言う物は、娘の恋人がどんなにいい人でも、絶対気に入らない。
そう言う話は知ってる。
でも、大成くんも喜々ちゃんもいい人だ。
うちのオーナーたちは、前のオーナーに思いっきり祝福されて、店を切り盛りしている様子を知ってる。
それを思うと、大成くんへの仕打ちが信じられない。
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