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フクロウのお返し
涼しく心地よい風が吹くそんなある日。
落ち葉を踏みしめながらのんびりと山中を歩いていると、俺は一匹のフクロウに出くわした。
木の枝に止まるフクロウ。その鋭い視線の先にはネズミ。
ネズミに気づかれぬよう背後から攻撃体勢をとり、狙いを定めてフクロウは飛びかかった。
だが、まだ命を狩ることにためらいがあるのか、一瞬の迷いからネズミに逃げられる。
狩りに不慣れな様子からまだ自立して間もないのだろうと俺は推測。
とくに感慨もなくフクロウとネズミの一進一退を眺めていると、ネズミがこちらへ駆け込んできた。
俺は目線でネズミを追い、目標が射程圏内に入って来た瞬間、容赦なく踏み潰してみせる。
ためらっていては食いっぱぐれるぞ――と先輩風を吹かし、ネズミをフクロウの足元に置いて俺はその場を去った。
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