選択逃避

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「ハイ、ミナサンナランデクダサイ」 「コレカラ、コノホールナイノニンゲンハ、ニクタイヲハイジョシ、イシキダケトナリ、カソウセカイヲイキテイキマス。スキナウツワヲ、アタマ二オモイウカベテネ」 21XX年、人間は等々地球に住む事ができなくなった。 散々、昔から言われてきてる大気汚染だの、核だの、原発だのってまあ色んな理由があるのだろう。 ただ、人間には色んな選択肢があった。 金のある奴はロケットで宇宙に逃げたり、人間を捨てきれない奴は各国が作った地下シェルターに避難したりした。 そして俺はというと、もう人間として生きる事を諦めた。 この器を手放す事にしたんだ。 どれにも当てはまらない奴は、人口を減らす為に肉体を捨てて意識だけをデータにして生きていくというものだった。 科学の進歩も本当に捨てたもんじゃないなと心から思った。 意識だけで生きていけるなんて最高じゃないか。 今まであんなに苦しんで選択してこなしてって言う連続性からやっと抜け出せる。 意識だけのデータになればもう苦しい選択を迫られることはない。 自分の好きなものになって好きなものだけを選べばいい。
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