ぬくもり

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恋愛も結婚も、好きにすればいい。 けど、こんな傷つけられてまで 続ける意味はないだろう。 「ナルさん、聡はさぁ、昔っから そんな奴ばっかと恋愛してんの。 男だろうが女だろうが一緒。 ただのドエムだよ。」 「聡……、貴方見る目、 養ったほうがいいわよ。」 「うるせーな。ほっとけよ…。」 私が知ってる聡の恋愛は、高校の時から。 高校時代、授業に出るのが面倒な時 私は体育館倉庫で1人ゲームをしていた。 ある日、そこに聡と1つ上の男の先輩が 入ってきて、おっぱじめたのだ。 聡は殴られたり、蹴られたり、 髪の毛とか引っ張られていて、 何だか異様に思って、目の前にあった バスケットボールが 入った籠を蹴飛ばした。 聡と先輩はこっちを見て驚いていた、 何かされるかなと思ったけれど、 1つ上の先輩は聡を残して逃げていった。 聡は静かに服を着て、 血が出ている所を拭いていた。 どうして良いか分からなかったけど、 私は聡に着ていたカーディガンを 貸してあげた。 聡の着ていた服は汚れてしまってたから。 それが始まりだった気がする。 聡は身体の線が細く、顔のラインも綺麗で カッコイイと可愛いを 足して割った顔をしている。 女からも、男からもモテる。 でも、馬鹿みたいに、 浮気する女と付き合ったり、 こりず暴力男と付き合ったり、 メンヘラや、金癖悪い奴や、嘘つき、 聡が選ぶ相手皆、おかしな奴ばかり。 自分で傷つきに行っている様なもの。 「千咲は最近どうなの?」 ナルさんが問いかけてくる。 「いい人出来た?」 「興味無いかな。恋愛より、 お金の方が好きだから私。」 「千咲らしいわね。」 「なんだかんだ、皆好きでしょお金。 私は素直なだけなの。 ナルさんコレお代わり!」 といってグラスを差し出した。 ナルさんと聡と私で飲む今日は、 たまには静かでいいなと思った。
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