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「お前本当たまに意味わかんねーよな。」
聡が身体を洗いながら言った。
マンションに帰った私達は、
1番にお風呂に入った。
私は少し潔癖で、
外から帰ったら必ずお風呂に
入らないと気が済まない。
だからと言って別に部屋が綺麗とか、
保温で温め直した湯船に
浸かるのが嫌とかそういう訳でもない。
「そーかな?」
私はお風呂に浸かりながら、
アロマキャンドルに火をつけた。
「いきなり怒るしマジ焦ったわ。」
急に聡が湯船に入ってくるものだから、
ザバーとお湯が流れ、
折角火を付けたのに、
キャンドルの火が消えてしまった。
「最悪、火消えちゃったじゃん。」
「女ってそういうの好きだよな。」
まぁ確かに好きだ。
お風呂にも、1、2、3個と寝室にも1個。
「家にもあるわ。」
「聡の男も好きなの?」
「いや、アイツの女の私物。」
聡は馬鹿なのかなと本気で思う。
「マジさ、付き合ってんだよね?
それで良いの?」
「俺は2番目だから。」
「全く理解出来ない。」
でもまぁ、理解出来ないのは、
私達の関係も同じかな。
湯船で聡に抱き抱えられる形で
お風呂に入っていた。
別にお互い好きじゃない。
でも、こうやってるのが普通なんだから。
「千咲、細い癖におっぱいでかいよな。」
「よく言われる。それに顔も悪くない。」
「自分で言うか?」
「鏡見たらある程度分かるじゃん。」
私は風呂場の鏡を指さした。
鏡に映る、聡と私、
その姿は冷静に見栄えがいい。
「まぁ中身は最悪だけどね。」
「そんな事ない、千咲は優しいよ。」
聡は私を抱き寄せ、背中にキスをした。
お尻に何かがあたる。
「今日私の股は休業日なんだけど?」
「俺とするのは仕事?」
「いや、違う、でも…。」
自分がしたいだけじゃんか、
そう言いかけて止めた。
下を向く私に聡は深いキスをする。
私も聡とするのは嫌いじゃない。
同じ行為でもパパ達とするのと、
聡とするのは全然違う。
安心感?満足感?達成感?
何にせよ、何かが満たされる。
「ちょっと待ってここじゃやだ。」
やばいやばい。
流されかけて、こんな所でやったら
隣に聞こえてしまう。
「何それ誘ってんの?」
意地悪い目線にこんな時だけ
ドキドキした。
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