0人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、先輩が暮らしてた所は新宿とかから結構すぐの住宅街。
改札出口一個だけの小さめの駅を出ると
すぐ商店街があって、周りは割と昔ながらの細い道ばっかで、
まあ良くある住宅街。激安ボロアパートなんかが多いエリア。
東京の一角にある地味な街だった。
ある日、すごく嬉しそうな顔して先輩から報告があった。
「聞いてよ聞いてよ」
「近所にさカッコいいバーがあんの、出来たばっかでさっ地元に呑み行けるいい店ができて嬉しいんだ」
「年上の面白いマスターとも仲良くなったんだ、看板描き頼んでくれてさあ俺が作るんだぜー、もうかっこいいの思いついたんだ!」
新しい友達ができた先輩、すっごく嬉しそうで俺も当然嬉しかった。
久々に絵なんかも頼まれたから喜んでた。
バイト早く終わったら朝までやってるから連れてくよって誘われて
そこのバーで遊ぶのが、先輩と俺のバイト帰りの定番遊びになったんだ。
何ヶ月かたってから段々気がついてきたんだけど、、
何かその店って変だったんだ。
商店街にあるんだけど地元の客が一切居なくて、客は居るけどなんて言うか
来てる人の職種がおもしろくてね
オカマちゃん
AV女優さん
風俗嬢(女王様)
チンピラ風の男達
なんかわかんないけど濃いキャラの怪しい面々
いつもそういうちょっとアンダーグラウンドな客層の中に先輩と俺が居て
居合わせた他の客と遊んでるみたいな。
刺激的なことや、出会いは俺も先輩もウェルカムだったし、
俺たち若かったし、ちょっと悪めのとこ位が楽しかった。
そういう意味では面白い店だったんだ。
まあ東京だしって感じでこんな夜中の店も普通かなって思ってたんだけどね
おもいがけず、トラブルに先輩が引き込まれてしまうことになった。
最初のコメントを投稿しよう!